生コンクリートの歴史

 
ヴェスビオス火山山麓にあった火山灰、石灰、砕石を混合したものが水中で硬化したことを発見したのがコンクリートの歴史の始まり

歴史は古く、コンクリートに類似したものは古代エジプトにもあったが、ローマ人がヴェスビオス火山の山麓にあった火山灰「ポッツォリーナ」(Pozzolina)、石灰、砕石を混合したものが水中で硬化し、強度を増すことを先住民のエトルリア人から習い、橋、水道橋、伽藍など建築物や構造物、構築物に古代ローマ・コンクリートを多用した。ローマにある伽藍のドームは型枠すら使用されていた痕跡が確認されている。

ローマに現在も残るパンテオン鉄筋を使用していないコンクリート建築としては世界最大級のコンクリート製ドームのであり、ローマン・コンクリートがむき出しの状態である。現在とは異なり、当時のローマではコンクリート壁をレンガなどで覆っていた。ローマ帝国で使用されたローマン・コンクリートは、生石灰、「ポッツオーリの土」とも称される火山灰、軽石を骨材に使用していた。それまでの、レンガを使用した建築に対し、コンクリートは革命的な材料で、制限されない自由で斬新な設計が可能となり、アーチヴォールト、ドーム形状などに素早く硬化して剛体となり、それまでの石・レンガ建築で問題であった内部の圧縮・引張りを気にする必要が薄れ、建築史を大きく塗り替えた。

最近の評価では、ローマン・コンクリートは現代使用されるポルトランドセメントと比較しても圧縮に対する強度は200  kg/cm2と大して変わらないが、鉄筋を使用していない分、引っ張りに対する強度ははるかに低かった。ローマン・コンクリートの骨材には細かく砕いた煉瓦などの瓦礫を主に使っていた。

古代ローマ帝国遺跡のコンクリートを調査した東北大学教授の久田真は、火山灰を混ぜることで緻密になり、耐久性が増したと分析している。北海道立総合研究機構北方建築総合研究所の谷口円は、劣化の原因となる二酸化炭素や塩分の染み込みを、火山灰が妨ぐことで耐用年数が長くなると推測している。ローマ帝国滅亡後の中世ヨーロッパでは大型建築物は石造となり、コンクリートが再び使われるようになったのは産業革命後である。

ローマのパンテオンの外観。現在も鉄筋などの補強のないものとしては、世界最大のコンクリート製ドームである[6]。
ローマのパンテオンの外観。現在も鉄筋などの補強のないものとしては、世界最大のコンクリート製ドームである。
ローマ近郊の墓で、ローマン・コンクリートがむき出しになっている様子。現代のコンクリート建築とは対照的に、ローマではコンクリート壁をレンガなどで覆っていた。
ローマ近郊の墓で、ローマン・コンクリートがむき出しになっている様子。現代のコンクリート建築とは対照的に、ローマではコンクリート壁をレンガなどで覆っていた。

ローマ帝国でのローマン・コンクリート (Opus caementicium) は、生石灰、ポゾラン(「ポッツオーリの土」と呼ばれる火山灰)、骨材としての軽石から作られていた。ローマ建築に広く使われて建築史上の画期をなし、石やレンガに制限されない自由で斬新な設計の建築が可能となった。

古代ローマ人にとって、アーチやヴォールトやドームの形状を作ると内部の圧縮や引っ張りを考慮しなくてはならない石やレンガと違い、素早く固まって剛体になるコンクリートは画期的な素材だった。

最近の評価によると、ローマン・コンクリートは現代のポルトランドセメントを使ったコンクリートと比較しても、圧縮に対する強さは引けを取らない(約200 kg/cm2)。しかし、鉄筋が入っていないため、引っ張りに対する強さは遥かに低く、したがって使い方も異なる。

現代のコンクリート構造はローマン・コンクリートのそれと2つの重要な点で異なる。第一に固まる前の現代のコンクリートは流動的で均質であり、型枠に流し込むことができる。ローマン・コンクリートでは骨材として瓦礫を使うことが多く、手で積み重ねるようにして形成する必要があった。第二に現代のコンクリートは鉄筋を入れることで引っ張りに対する強さが強化されているが、ローマン・コンクリートにはそれがなく、コンクリート自体の引っ張りへの強さだけに依存していた。

ローマ建築ではコンクリートが多用されたため、今日も多くの建築物が残っている。ローマのカラカラ浴場などは、コンクリートの耐用寿命の長さを示している。古代ローマ人はローマ帝国の各地に同様のコンクリート建築を建設した。ローマ水道やローマの多くは、コンクリートの構造を石で覆っており、同様の技法はコンクリート製ドームのあるパンテオンでも使われている。

コンクリートの製法は約13世紀の間失われていたが、1756年イギリスの技術者ジョン・スミートンが水硬性石灰(骨材は小石やレンガの破片)を使用したコンクリートを考案した。1824年ジョセフ・アスプディンポルトランドセメントを発明し、1840年代初めには実用化している。以上が通説だが、1670年ごろ建設されたミディ運河でコンクリートが使われていることが判明している

近年、環境問題が重視されてきていることから、コンクリートの成分に再生素材を使うことが多くなっている。例えば石炭を燃焼する火力発電所がだすフライアッシュなどである(フライアッシュコンクリートは水和熱の発生の緩和(そのためマスコンクリートに多く用いられる)、アルカリ骨材反応の防止効果もある。またフライアッシュを混和材として用いることはワーカビリティ向上に繋がる)。これにより、採石量を減らすとともに産業廃棄物の埋め立て量も減るという効果がある。

古代ローマや古代エジプトでも、コンクリートの素材に様々な添加物が使用されていた。彼らは火山灰を添加すると水によって固まる性質が生じることを発見した。また、ローマ人はを混ぜると固まるときにひびが入りにくくなることや、を混ぜると凍結に強くなることを知っていた

現代の研究者も、コンクリートになんらかの素材を添加することで、強度や電気伝導性を高めるなど、コンクリートの性質を改善する実験をおこなっている。

戦場においてテロリストの脅威に対抗する目的でコンクリートの障壁が利用される事があり、コンクリートは現代の戦場で最も効果的な兵器であるとする意見がある

 

(百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)コンクリートより引用』/最終更新 2023年2月3日 (金) 22:04)

 

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